SanDisk NAS 800とWD Red SN700を比較!NASキャッシュ用は容量次第で決まる

SanDisk NAS 800とWD Red SN700の比較(NASのSSDキャッシュ用途・イラスト)

〈景品表示法に基づく表記〉当サイトはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。

目次

NAS用SSDキャッシュで迷う人へ…SanDisk NAS 800とWD Red SN700は何が違う?

NAS向けのNVMe SSDといえば、これまではWD Red SN700が定番だった。
そこに2026年8月20日、SanDiskから新しく「SanDisk NAS 800」が発表された。
NASのキャッシュ用に入れるなら、新しいNAS 800にする意味はあるのか。従来のWD Red SN700ではだめなのかを記事にしてみたので、見ていって欲しい。

先に結論を書くと、QNAPのQuTS heroでメモリが16GBのNASなら、キャッシュ用はSN700の250GB/500GBが現実的な候補になると思う。
理由は、QNAPの要件表では、NAS 800の最小容量(960GB)に必要なメモリを満たさないからだ。
実機で試したわけではなく、スペックとQNAPの公式要件から考えた筆者の見方として読んでほしい。

この記事では、QNAPの新NAS「TS-h665」を具体例にしているが、考え方はほかのNASでも使える。
TS-h665そのものについては、QNAP TS-h665のスペックと日本価格予想で詳しく書いているので、気になる人はそちらも見てほしい。

あわせて読みたい
QNAP TS-h665 スペック・日本価格予想!TS-464との違いも比較 QNAPの新タワー型NAS「TS-h665」のスペックを公式スペックページを中心に整理。Intel N150・DDR5搭載で、TS-464との比較表も掲載。価格は筆者予想、日本の発売時期は公式未発表です。

SanDisk NAS 800とは

NAS 800は、PCIe 5.0 x4に対応した新しいNAS向けのM.2 2280 SSDだ。
容量は960GB/1.92TB/3.84TB/7.68TBの4種類で、最大読み出しは14,900MB/sと、NAS向けとしてはかなり尖ったスペックになっている。
保証は5年(TBWの上限まで)だ。

スペック的にはWD Red SN700よりも安いし、まだ半導体不足によるプレミアム価格化はしていない。
早めに予約することをオススメしたいが、NASが対応しているかはちゃんと見定める必要がある。

WD Red SN700とは

WD Red SN700は、Western Digitalブランドで出ているNAS向けのPCIe 3.0 x4 NVMe SSDだ。
容量は250GB〜4TBと幅広く、NASのキャッシュ用として長く使われてきた。
NAS Comparesは、NAS 600/800はWD Red SSDの流れを引き継ぐ製品とみられると報じているが、公式な位置づけは発表されていない。

SanDisk NAS 800とWD Red SN700のスペックをざっくり比較

項目SanDisk NAS 800WD Red SN700(容量別の最大値)
インターフェースPCIe 5.0 x4(NVMe 2.0、PCIe 4.0/3.0にも対応)PCIe 3.0 x4(NVMe)
形状M.2 2280M.2 2280
容量960GB/1.92TB/3.84TB/7.68TB250GB〜4TB
最大シーケンシャル読み出し14,900MB/s3,430MB/s(500GB/1TBの値)
最大シーケンシャル書き込み11,000〜13,200MB/s(容量により異なる)3,100MB/s(4TBの値、500GBは約2,600MB/s)
耐久性(TBW)約1,750TBW(960GB、報道されたレンジの下限)〜14,000TBW(7.68TB、14PBW)1TBで2,000TBW、4TBで5,100TBW
保証5年(TBWの上限まで)5年
QuTS heroのSSDキャッシュ要件との適合(メモリ16GBの場合)最小容量が960GBで、要件の表に該当する行がない(512GBクラスまで)250GB/500GBが容量要件の範囲に収まる
動作温度0〜85℃未確認
米国での希望小売価格発表時の米国希望小売価格(MSRP、税抜・ドル建て)で、960GBが309.99ドル未確認
日本での価格・発売Amazon.co.jpで予約受付中。11月30日発売、58,365円(税込)(2026年10月17日時点)未確認

性能は桁違いでSanDisk NAS 800の方が優秀だが、耐久性はSN700の方が優れている点がポイントだ。

NAS 800は、2026年9月にSandisk.comなど一部の販売店で発売開始と報じられている。
Amazonでの日本での販売は、11/30で価格は58,365円(税込)となる。
SSDとして、サーバー用途は価格が上がりやすいと個人的には思っているので、予約してみたほうが良いと思う。
ただ、後ほど解説するが、今回のQuTS heroとTS-h665を使うと、公式の要件上はSSDキャッシュが500GBクラスまでとなるため、WDのSN700 500GBを選択するとよいだろう。

QuTS heroのSSDキャッシュは、メモリ16GBだと容量に上限がある

SSDキャッシュの容量とメモリの関係

SSDの速度が桁違いでも、NASでは別のところに上限がある。
それが、キャッシュ容量に対して必要になるメモリの量だ。
QNAPの公式ドキュメントには、QuTS heroでSSDキャッシュを使うときの、容量と必要メモリの対応表がある。

QuTS heroのSSDキャッシュ容量必要なメモリ
512GB16GB以上
1TB32GB以上
2TB64GB以上
4TB128GB以上
16TB512GB以上
30TB1TB以上
120TB4TB以上

ドキュメントでは「必要なメモリ(Required Memory)」として書かれていて、推奨ではなく要件の扱いだ。
この表はQuTS hero 5.0.x向けのドキュメントのもので、QNAP日本語ページでも同じ値を確認した。

なお、QuTS HeroでなくQTSをOSとして選択することでこの要件はかなり緩和できる。
ZFSを使用しない場合は、無理にQuTS Heroを選択しなくてもよいので、抑えておいて欲しい。

メモリ16GBなら、SSDキャッシュは512GBクラスまで

たとえば筆者が現在狙っているTS-h665は標準OSがQuTS heroで、メモリは最大16GB(1スロット)になる。
要件の上では、SSDキャッシュは512GBクラスまでだ。
これは、メモリが16GBまでのNASなら共通で当てはまる話だと思う。

SN700には250GBと500GBがあり、キャッシュ用途ではこの2つが要件の範囲に収まる。
1TB以上のモデルは、この表では32GB以上のメモリが必要になるので範囲外だ。
この時点でNAS 800は要件から外れるため、選択肢から除外されることとなる。

なお、SN700についてはスペック表の書き込み3,100MB/sは4TBの値で、500GBの最大書き込みは約2,600MB/sとやや遅い。
ただ、キャッシュ用ではスロット側で頭打ちになることも多いので、実用上はあまり気にならないと思う(筆者の見方)。

NAS 800は最小960GBで、要件の表からは外れやすい

NAS 800は最小容量が960GBだ。
QNAPは、QuTS Heroを現在普及させたがっているが、家庭向けモデルの多くは最大メモリサイズ16GBとなっている。
そのため、多くの場合NAS 800は除外されることとなる。

さらにQNAPの要件表にはNAS 800に該当する行が無いだけではなく、互換性の観点でも懸念がある。

ただ、あくまでもこの要件は、QuTS heroの「SSDキャッシュ」についてのものであることは抑えておきたい。
NAS 800をSSDストレージプール(データ領域)として使う場合は、動作する可能性もあるが、リスクを取ってまで試す必要はないだろう。

SSDキャッシュの観点でQTSを使う場合は、キャッシュ容量に対する必要メモリがより小さい(QNAP日本語ページでは、現行のQTS 5.0.0以降では1TBで2GB以上、旧バージョン向けの値では4GB以上)。

つまり、QTSであれば、QTS 5.0.0以降の値で確認できる範囲では、1TBのSSDなら2GB以上のメモリで要件に収まる。
また、TS-h665のようにQTS 6.xを選べる場合の要件も確認できていないので、実際に使う前にQNAPの最新ドキュメントで確認してほしい。

メモリを増やせるNASなら話が変わる

逆に言えば、メモリを増設できるNASなら話は変わる。
表のとおり、1TBなら32GB以上、2TBなら64GB以上のメモリを載せれば、要件の範囲に入ってくる。
NAS 800の960GBや1.92TBも、メモリに余裕のある環境なら選択肢に入ってくると思う。

メモリ増設のしやすさはNAS選びでも大事なポイントになる。
たとえば、メモリの上限や拡張性の違いは、TS-h465とTS-464のスペック比較でも触れているので、NAS本体から選び直す場合の参考にしてほしい。

TS-h665のSSDスロットではPCIe 5.0が活きにくい

NAS 800のいちばんの売りは、やはり速度だ。
ただ、NASのSSDスロットがPCIe 5.0に対応していなければ、その速度は出ない。
スロットの規格で頭打ちになるからだ。

具体例として、TS-h665のSSDスロットはE1.S PCIe Gen3 x1で、M.2 2280のSSDは付属のE1.Sトレイ用アダプタ経由で載せる形になる。

PCIe Gen3 x1の理論帯域は、約1GB/s弱。
NAS 800の最大14,900MB/sは、PCIe 5.0 x4のスロットがあって初めて出せる数字で、このスロットでは全く届かないだろう。
SN700(最大3,430MB/s)でも、スロット側で頭打ちになる。
つまり、どちらを挿しても、スロットが律速になるので、速度の差はほとんど出ないのではないかと思う。

効果が期待できるとしたら、HDDからキャッシュしたランダムアクセスくらいだと思う。
主にサムネイル表示とかが早くなることが期待できる。
意外とサムネイル表示はランダムアクセスが必要になるので、写真や動画をメインとして使うなら、SSDはあってもいいと思う。

ネットワークも考えてみる。
TS-h665標準の2.5GbEは、理論値で約312MB/sだ。
10GbEカードを足しても理論値で約1.25GB/sで、Gen3 x1のスロットのほうが先に上限に当たる可能性がある。
ネットワーク越しに使う限り、SSDの速度差はさらに恩恵を受けにくい。

これらの要素から、一般的にはSSDは不要だと思う。
SSDを導入する場合は、まずはネットワークやWi-Fiルーターを中心として再構成してから検討したほうが良いと思う。

耐久性・価格・保証でNAS 800とWD Red SN700の差が出るのはどこか

速度も容量の要件もそろうと、見るべきは別のところになる。
差が出るのは、次のあたりだ。

  • 耐久性:同容量帯のTBWはほぼ同水準で、大きな差はない(NAS 800の960GBが約1,750TBW、SN700の1TBが2,000TBW)。
    NAS 800は大容量ほど高く、7.68TBで14,000TBWになる
  • 容量:NAS 800は最大7.68TB、SN700は最大4TB。
    ただしメモリ16GBのQuTS heroでキャッシュに使うなら、容量は512GBクラスまでなので、大容量であることは利点にならない
  • 入手性と価格:Amazon.co.jpでは予約受付中で、11月30日発売、58,365円(税込)と案内されている(2026年10月17日時点)。SN700は販売店によって在庫や価格に差がある傾向がある(日付付きの確認はしていない)。予約受付や価格は、買う前に販売店で確認してほしい。
  • 厚み:NAS 800の7.68TBモデルは他の容量より厚い(3.88mm、他は2.38mm)。
    NASのSSDスロットやアダプタに収まるかは確認しておきたい
  • 保証:どちらも5年(NAS 800はTBWの上限まで)で、ここは差がない

キャッシュ用途なら、書き込みが多くなりやすいので耐久性は気になるところだ。
ただ、メモリ16GBのNASでは容量の要件でNAS 800は外れるので、耐久性や価格以前の話になりそうだ。

その他には発熱などはあるが、これはレビューを見るしか無いので、器にするなら口コミが出るまで様子を見たほうが良いと思う。

どんなNASにはNAS 800、WD Red SN700が向く?

NAS 800が向くのは、PCIe Gen4やGen5のx4スロットを持つNASや、メモリに余裕のある環境、ワークステーション的な用途だと思う。
そういう環境なら、NAS 800の速度や容量を活かせる余地がある。
ただ、要件を満たすようなNASはより高額だと思うので、注意して欲しい。

一方、メモリが16GBまでのNASや、SSDスロットがPCIe Gen3のNASなら、SN700の250GB/500GBで十分だと思う。
また、繰り返しだがNAS本体の速度を上げてもネットワーク全体で速度を考える必要があるため、そこは注意して欲しい。
外出先からのアクセスをメインとしているなら、どれもオーバースペックとなるので、使い方も含めて検討して欲しい。

SanDisk NAS 800とWD Red SN700は、キャッシュ用途ならどちらが最有力候補か?

TS-h665の詳しい仕様や価格の見通しは、QNAP TS-h665のスペックと日本価格予想にまとめているので、NAS本体から検討している人は先にそちらを見てほしい。

まとめると、メモリ16GBのNASでQuTS heroのSSDキャッシュとして使うなら、速度面でも、QNAPの容量要件の面でも、WD Red SN700の250GB/500GBが現実的な最有力候補だと思う。

速度は、SSDスロットがGen3 x1のようなNASだと、NAS 800でもSN700でも頭打ちになる。
容量は、メモリ16GBのNASでは512GBクラスまでで、最小960GBのNAS 800は、QNAPの要件表に該当する行がなく、表の上では16GBの要件を満たさないと読める(筆者の解釈)。
なので、この条件なら、SN700を選ぶのが無難だと考えている。
NAS 800は、QNAPの要件表に該当する行がないどころか、レビューすらまだ無い点がポイントだ。

逆に、メモリを増やせるNASや、PCIe 4.0/5.0のスロットを持つNASなら、NAS 800を選ぶ余地は十分にある。
ここまでの内容は2026年10月17日時点の情報なので、日本での価格や発売時期が出たら、改めて確認してほしい。

注意点としては、NAS用のSSDは流通が止まっており、プレミアム価格化が進んでいる。
中でもSN700の500GBはAmazonで3.3万円(税込み)と比較的に安い傾向にある。
QuTS Heroを検討している人は、今のうちに確保しておいても良いかもしれない。

引用元:Sandisk プレスリリース(NAS SSD)、QNAP ドキュメント(QuTS hero SSDキャッシュ要件)、QNAP SSDキャッシュ(日本語)、QNAP TS-h665 スペック、XenoSpectrum(NAS 800/600)、Club386(Sandisk NAS SSD)、NAS Compares(Sandisk NAS 600/800)、WD Red SN700 解説、KitGuru(WD Red SN700)

SanDisk NAS 800とWD Red SN700の比較(NASのSSDキャッシュ用途・イラスト)

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次