NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S IIとは?2026年4月発売の大三元望遠最新モデル
ニコンが2026年2月24日に正式発表し、同年4月に発売したNIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S II。
Zマウント大三元望遠ズームの第2世代で、旧モデル(VR S I型)から約362g軽くなり、AFも大幅に進化している。
「I型から買い替える価値があるのか」「ソニーGM IIと比べてどうなのか」——そのあたりをざっくり整理してみたい。
主なスペック一覧(焦点距離・重量・フィルター径・VR性能)
| 項目 | スペック |
|---|---|
| 焦点距離 | 70〜200mm |
| 開放F値 | f/2.8 |
| レンズ構成 | 16群18枚 |
| 重量 | 約998g(三脚座リング・保護カバー除く) |
| 最短撮影距離 | 0.38m(70mm時)/ 0.8m(200mm時) |
| 最大撮影倍率 | 0.3倍(70mm時) |
| 手ブレ補正効果(VR性能) | 6.0段 |
| フィルター径 | 77mm |
| 絞り羽根 | 11枚(円形絞り) |
| サイズ | 最大径90mm × 全長208mm |
| 実勢価格(参考) | 443,300円前後(税込・オープンプライス) |
旧モデル(VR S I型)と何が変わった?重量・AF・光学性能を数値で比較
まず旧モデルとの違いを表にまとめてみた。
数字を並べると、正直かなり大きく変わっている。
| 項目 | VR S(I型) | VR S II(新モデル) |
|---|---|---|
| 重量 | 約1,360g | 約998g(約362g軽量・約26%削減) |
| AF駆動方式 | 従来型STM | シルキースウィフトVCM(SSVCM) |
| AF速度 | 基準 | 旧比約3.5倍高速化 |
| ズーム中AF追従 | 基準 | 旧比約40%向上 |
| 最短撮影距離(70mm) | 0.5m | 0.38m |
| 最短撮影距離(200mm) | 1.0m | 0.8m |
| VR段数 | 5.5段 | 6.0段 |
| レンズ構成 | 21枚(群数非公表) | 16群18枚 |
| 発売年 | 2020年 | 2026年 |
| 実勢価格(参考・税込) | 354,530円(当時) 277,200円(現時点の最安値) | 443,300円前後 |
約362g軽量化——998gで持ち運びはどう変わるか
旧モデルの1,360gはZ9やZ8に装着すると総重量が2kgを超えてくる。
これが998gになると、肩への負担がじわじわ違ってくる。
スポーツや野鳥の現場で長時間手持ちしている人にとっては、362gの差はかなり大きいと思う。
フィルター径も82mmから77mmに変わったので、所持しているフィルターの互換性は事前確認が必要だ。
フィルター径が小さくなったことで、NDフィルターを含む初期コストが少なくなるメリットがある。
これから大3元レンズとして望遠レンズを狙っているユーザーは、2型を購入するとよいだろう。
AF速度が旧比3.5倍——シルキースウィフトVCM(SSVCM)の仕組みを解説
VR S IIの目玉のひとつがシルキースウィフトVCM(SSVCM)と呼ばれる新しいAF駆動方式だ。
VCMはボイスコイルモーターの略で、コイルに電流を流すことで磁力を発生させてレンズ群を動かす仕組みになっている。
ニコン独自のガイド機構と組み合わせることで、コイルのみが往復運動し、機械的な摩擦や振動を最小化している。
その結果、「高速・高精度・静音」の3つを同時に実現している点が大きい。
旧モデル比でAF速度が約3.5倍になり、ズーム操作中のAF追従も約40%向上した。
さらに駆動音は聴感上で旧比半減とのことで、動画撮影時にカメラの音が入り込みにくくなっている。
スポーツ撮影での被写体追従や、動画のスムーズなフォーカス送りに恩恵が大きそうだ。
最短撮影距離の短縮(70mm時:0.5m → 0.38m)
70mm時の最短撮影距離が0.5mから0.38mに縮まった。
最大撮影倍率は0.3倍(70mm時)と、望遠ズームとしては寄れる部類に入る。
野鳥の撮影で対象が近づいてきたときや、スポーツの合間に小物をクローズアップしたいときなど、地味に助かる改善だと思う。
光学設計の刷新——レンズ枚数削減でも画質は上がった?
16群18枚構成(旧モデルより枚数削減)と特殊ガラス素材の活用
旧モデルが21枚だったのに対し、VR S IIは18枚に削減されている。
枚数が少ないほど光の透過率が上がり、コントラストや色再現に有利とも言われる。
ニコンはEDガラスや非球面レンズなどの特殊素材を組み合わせることで、枚数を減らしながらも収差をしっかり補正しているとしている。
実際の描写については、公式サイトやメディアのサンプル画像を見ると、開放から中央〜周辺まで均質なシャープネスが確認できる。
年輪ボケ(玉ボケ)問題——実写で気になるレベルか?
海外レビュアーの一部から、特定の条件下で年輪状の玉ボケ(いわゆる「年輪ボケ」)が出るという指摘がある。
デジカメinfoでも同様の報告が挙がっており、完全にゼロとは言えない状況だ。
ただし、撮影距離や絞り値を調整することで軽減できるという見方が多い。
実用上の問題になるかどうかは被写体や撮影スタイルによって変わってくるところで、スポーツ・野鳥の一瞬を切り取る使い方では気にならないケースがほとんどだと思う。
ポートレートでごく近距離から完璧な玉ボケを求める場合は、事前に作例を確認しておく方がいいかもしれない。
SONY FE 70-200mm f/2.8 GM OSS IIとの比較——他マウントユーザーも気になる差は?
重量・価格・AF性能の3点比較
ソニーEマウントの最高峰、FE 70-200mm f/2.8 GM OSS IIも2022年に登場した「軽量化+AF強化」のモデルだ。
簡単に3点を比べてみよう。
| 項目 | NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S II | SONY FE 70-200mm f/2.8 GM OSS II |
|---|---|---|
| 重量 | 約998g | 約883g |
| 実勢価格(参考・税込) | 443,300円前後 | 約418,000円前後(参考) |
| AF駆動 | シルキースウィフトVCM | XD(高速駆動)リニアモーター×4基 |
| VR/OSS段数 | 6.0段 | 5.5段 |
| 最短撮影距離(70mm) | 0.38m | 0.4m |
重量ではソニーGM IIが約115g軽い。
価格帯は近く、AF性能はどちらも最先端レベルだ。
VR/OSS段数ではZマウント側が0.5段リードしており、手持ち撮影での安定感は有利になる可能性がある。
しかしながら、SONY FE 70-200mm f/2.8 GM OSS IIの実売価格は30万円前後と価格面では有利になっている。
中古相場でも28万円で売り出されているので、コスパを考えると現時点ではSONYの方が有利だ。
NIKKONについては、需要が落ち着くことである程度の価格の下落が期待できるため、この価格の比較は短期的なものと考えて良い。
基本的にはほとんど同じ価格で、スペックはNIKKONの方が有利だが、軽さはSONYで判断してよいだろう。
マウント移行の判断材料として
正直、どちらのシステムも現時点でトップクラスの大三元望遠を持っている。
マウント移行のコストを考えると、現在Nikonユーザーがソニーに乗り換える理由としては弱い。
逆に、ソニーから移行を検討している場合も、GM IIの完成度が高いためVR S IIだけで動機づけるのはちょっと難しいかもしれない。
「ボディを含めたシステム全体の相性」で選ぶのが現実的だと思う。
日本での価格・購入先まとめ(2026年5月現在)
ニコンダイレクト・ヨドバシ・楽天でのおすすめ購入先
実勢価格は443,300円前後(税込・オープンプライス)。
価格.comでは414,545円前後の最安値が確認されている(2026年5月時点)。
大手カメラ量販店(ヨドバシ・ビックカメラ)ではポイント還元込みで実質的な割引が受けられる場合があるため、購入前に比較しておくとよい。
ニコンダイレクトは公式の安心感があるが価格面の割引は少なめな傾向がある。
以下はもしもアフィリエイト経由の購入リンク。
記事公開時の価格は変動する場合があります。
I型から買い替える価値はある?スポーツ・野鳥・動画撮影者への結論
個人的には、I型を使っていて「重さがしんどい」「動体AFで悔しい思いをした」という経験があるなら、買い替えを前向きに検討してもいいと思う。
362gの軽量化は数字以上に現場での差になるし、AF速度の3.5倍向上はスポーツ・野鳥撮影での歩留まりを上げてくれるはずだ。
一方で、「今のI型で特にストレスがない」「画質に不満がない」という人にとっては、443,300円(税込)は悩ましい金額だ。
光学的な描写の進化幅はAFや軽さほど劇的ではないとも言われているため、画質目的のアップグレードとしては優先度が下がるかもしれない。
動画クリエイターにとってはSSVCMの静音化が刺さるポイントになりそうだ。
駆動音が聴感上で半減するのは、マイク収録を重視する映像制作の現場では地味に大きい。
- スポーツ・野鳥撮影者:AF速度3.5倍+軽量化の恩恵が大きい。I型所持者は買い替えを検討する価値あり
- 動画クリエイター:SSVCM静音化が刺さるなら有力候補。I型からの買い替え動機になりうる
- ポートレート撮影者:年輪ボケが気になるなら作例を事前確認。最短撮影距離の短縮は◎
- I型ユーザーで現状満足:しばらく様子見でも問題ない
引用元:
ニコン公式プレスリリース(2026年2月24日)、
ニコン公式製品ページ – NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S II、
価格.com – NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S II、
デジカメWatch – NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S II 実写レビュー、
デジカメinfo – Z 70-200mm f/2.8 VR S II 年輪ボケに関する報告


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