Tamron A063からSEL2470GM2へ乗り換え!

長年愛用していたTamron 28-75mm F/2.8 Di III VXD(A063)から、ついにSONY純正のSEL2470GM2(FE 24-70mm F2.8 GM II)に乗り換えました!
約1年半TamronのA063を使用してきたが、ほとんど不満のない良いレンズだと感じている。

価格差もある中で、なぜ乗り換えたのか?実際に使ってみてどうだったのか?
今回は、静止画と動画の両面から比較レビューをお届けする。
スペック比較:A063 vs SEL2470GM2
項目 | Tamron A063 | SONY SEL2470GM2 |
---|---|---|
焦点距離 | 28-75mm | 24-70mm |
開放F値 | F2.8 | F2.8 |
最短撮影距離 | 0.18m(広角) | 0.21m(広角) |
フィルター径 | 67mm | 82mm |
重量 | 約540g | 約695g |
手ブレ補正 | なし | なし(※ボディ依存) |
AF方式 | VXD(リニアモーター) | XDリニアモーター×2 |
絞り羽根 | 9枚 | 11枚 |
サイズ | φ75.8×117.6mm | φ87.8×119.9mm |
スペック上で最もわかりやすい点は、SEL2470GM2は24mmスタートで風景撮影に強い。
映像の印象として、フォーカスがあっている中央は大差は感じないが、中央から外れた端を見ると解像力・描写が高い。
体感では感じないがAF速度に関しては、差は感じなかった。
デメリットは、重量は若干増える点が挙げられる。
フィルター経に関しては、SEL2470GM2が82mmに対して、A063は67mmとなる。
フィルターを使用する場合、フィルター経が小さほうが価格を抑えられるため、コスパはTamronの方が優秀だ。
SEL2470GM2の機能は?ボタンやフォーカスリングなどを解説!
SEL2470GM2(FE 24-70mm F2.8 GM II)は、プロ向けの操作性と利便性を追求した設計となっており、多彩な物理操作系を備えている。
以下に、各リング・スイッチ・ボタンの役割を詳しく紹介する。
フォーカスリング(MF対応)

- マニュアルフォーカス時に使用
- 回転トルクは軽めで、応答性の良いリニアレスポンスMFに対応
- α7C IIなどの対応機種と組み合わせると、「MFアシスト拡大表示+ピーキング」もスムーズ
ズームリング
- ズーム回転はやや重めでしっかりとしたトルク感
- ズームレンジ:24mm〜70mm(ロック機構付き)
- ズームの回転方向は従来のSONY方式(逆方向ではない)
- 自重で動くこともあるので、トルクを重めに変更して使用する事が多い
アイリスリング(絞りリング)
- 絞り値を物理リングで直接調整可能
- 「Aポジション」でボディ側からの制御に切り替え可
- 動画撮影で便利な「クリックON/OFF切り替えスイッチ」付き
クリックOFFモード:
- 滑らかに無段階で絞りを調整可能
- 動画撮影中の絞り変更音が気にならない
フォーカスモードスイッチ(AF/MF切替)
- ワンタッチでオートフォーカス(AF)/マニュアルフォーカス(MF)切替
- α7C IIボディ側と連動し、即座に切り替え可能
フォーカスホールドボタン ×2

- レンズ側面に2つのカスタムボタンを搭載(AFロックなど割り当て可能)
- α7シリーズのカスタム機能割り当てにも対応
- 例:瞳AF切替、フォーカスマップ表示など
ズームロックスイッチ
- 携行時にズームが伸びるのを防ぐロック機構
- 特に24mm位置でバッグにしまう際などに有効
SEL2470GM2の同梱物

SEL2470GM2の同梱物の1つに専用のケースがある。
この中にSEL2470GM2を本体を入れることができるが、すでにカメラバッグを持っているため使用しない。
高級感がありつつも実用的なケースと言えるだろう。

あとは、レンズフードとストラップが付属している。
開封後はすぐにNiSiの可変NDフィルターを取り付けたため、どちらの同梱物も開けずに保管する。
実際にA063とSEL2470GM2の写真の描写力を比較
条件としては、ブロガーであるため物撮りを想定したぬいぐるみを撮影して比較する。
条件としては以下となる。
- 被写体の後ろに窓があるが、カーテンを締め切り太陽光が変化しない環境
- ISO 800、SS 1/60、F 2.8の条件で固定
- ARMで撮影し、未加工でJPGへエクスポートした画像
まずは、Tamron A063から比較

全体的に明るい印象。
悪く言えば、白飛びしているような印象もあるが、ARWで撮影しているため、あとでどうにでもなる。
次にSEL2470GM2。

全体的に暗めな印象。
色が残っているという意味では、A063よりは修正がしやすい。
見たままの印象という意味では、SEL2470GM2の方が正しいかもしれない。
明るいA063の方が、簡単な編集であれば明るさ調整がほぼ不要なので、やりやすいかもしれない。
個人的な好みとしては、TamronのA063の方が写真としては好きだ。
ズーム時はA063の方が筒の伸びが抑えられている

どちらも最短焦点距離の状態だとほとんど差がない。
わずかにA063の方が高さがある印象だ。
しかしながら70mm側までのズームにするとSEL2470GM2が伸びすぎている印象を受ける。

むしろ、A063が優秀で75mmまで伸ばしてもほとんど伸びない。
この差は、撮影時に重心が変わることによる手への負荷でも感じることができる。
ジンバルを使用する場合、A063であれば許容範囲ではあるがSEL2470GM2は再度チューニングが必要となる。
SEL2470GM2は、A063よりも全てにおいて素晴らしいわけではなく、A063もかなりバランスが取れたレンズだと再評価できた。
手ブレ補正と動画性能の比較
Tamron A063にはレンズ内手ブレ補正が非搭載のため、動画撮影時の安定性はボディのIBIS(ボディ内手ブレ補正)に依存する。
SEL2470GM2に関しても、レンズ内手ぶれ補正がないため、スペック的には互角に見える。
しかしながら、SEL2470GM2は純正レンズとしての連携力が高く、αシリーズの動画用「アクティブ手ブレ補正」や電子手ブレ補正との相性が抜群に良い。
アクティブ手ぶれ補正を使用して、しっかりとホールドして持つことでジンバルのように滑らかな動画を撮影することができる。
SEL2470GM2を検討した理由の一つにA063で気になっていたステップノイズが解決した。
ステップノイズの軽減だけでもSEL2470GM2を購入した価値を感じている。
シャッタースピードや暗所性能
両レンズともF2.8通しだが、SEL2470GM2は明らかに解像力とコントラストが優れており、ISO感度を抑えて撮影できるとされている。
これらの情報により、レビュワーの中にはシャッタースピードが稼げるとコメントしている人もいる。
しかしながら、実際に室内撮影してみるとA063の方が写真の写りとしては明るい印象を受けた。
どちらも素晴らしいレンズであり、写真性能に関しては編集ソフトで最終的に仕上げることを想定すると誤差に感じる。
写真に関しては、編集ソフトでノイズを後で軽減できるため、そこまで気にする必要もないと感じた。
ただし、色情報が多いのは間違いなくSEL2470GM2であるため、細かい編集をする場合は純正レンズの方が良いだろう。
α7C IIとの相性は?
軽量コンパクトなボディが魅力のα7C IIとの組み合わせでも、SEL2470GM2は意外とバランスが良好だ。
- グリップ感は問題なし(少し大きめのグリップエクステンション推奨)
- AF性能はα7C IIのリアルタイムトラッキングと完全に連動
- 純正レンズならではのブリージング補正やフォーカスマップ機能も使える
ただし、重量としては首からぶら下げているとA063から重くなったことを実感する。
α7c IIへ軽量を求めるのであればA063の方が良いかもじれない。
繰り返しだが、動画も撮影するのであればステップノイズが気になるので純正レンズであるSEL2470GM2にせざるを得ない。
正直、Tamron A063とDJI RS3 miniがあればSEL2470GM2は不要。荷物軽減効果で選択するべし
正直なところ、Tamron A063に関しては、写真や動画のコンテンツとしての不満は全く無い。
むしろ、DJI RS3 miniことジンバルを使用することで、手ブレを物理的に抑えることができる。
動画コンテンツとしては、SEL2470GM2が必ず必要ではなく、重量と荷物が許容できるのであれば、Tamron A063で良いと感じた。
しかしながら、カメラの使い方としてSEL2470GM2で実現できる強い手ぶれ補正が欲しい場面が増えてきたため、SEL2470GM2を購入している。
SEL2470GM2を購入したデメリットとしては、小型軽量でα7ciiとTamron A063を選択したが、SEL2470GM2により150gほど重くなり、大きくなってしまった点が悔やまれる。
結論:Tamronからの乗り換えは「大正解」
Tamron A063はコスパ最強のレンズでしたが、動画撮影・解像力・AF性能などを重視するならSEL2470GM2は確実にワンランク上の体験をもたらした。
「動画にも力を入れたい」「α7C IIの性能をフルに引き出したい」という方には、間違いなくおすすめできる一本だ。
写真性能に関しては、どちらも編集ソフトで自分好みの画像に仕上げることができると実感できた。
動画の手ぶれ補正に関しては、純正レンズでしか解決できないほど性能差があるため、SEL2470GM2を購入してよかったと感じている。
写真と動画の両方を体験したいユーザーは、SEL2470GM2をオススメするが、写真のみだとTamron A063で十分な印象だ。
自分の考えにエラーを持たせるのであれば、まだ自分自身がSEL2470GM2の実力を発揮できていないところもあり、総合的な評価は、アマチュアレベルでしかない。
逆に言えば、アマチュアレベルであれば、価格が安いA063で十分だとも言える。
せっかくのα7c IIであるため、動画も写真も楽しむ意味でSEL2470GM2を購入して満足している。
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