AppleのM3プロセッサによる性能向上
Appleは新しいM3ファミリーのチップを発表し、その性能について詳細な情報が提供してきた。
M3ファミリーのチップは、効率コアがM2ファミリーより最大30%、M1ファミリーより最大50%高速であるとAppleは述べているが、果たして実態はどうなのかが疑問に思われる。
M3チップのパフォーマンスコアは、M2チップより最大15%、M1ファミリーより最大30%高速であると言われている。
ベンチマーク結果の詳細
M3プロセッサのベンチマーク結果がGeekbenchデータベースで公開され、Appleのパフォーマンスの主張と一致することが確認された。
結論だけ述べると、M3シリーズの違いの比較表はこの様になる。
シングルコア | マルチコア | |
---|---|---|
M3チップ | 3016 | 11588 |
M2チップ | 2589 | 9742 |
M1チップ | 2334 | 8317 |
これらのベンチマーク結果は、ベースモデルのM3 MacBook Proからのもので、シングルコアスコアは約3,000、マルチコアスコアは約11,000となる。
これらの数字は、ベースモデルのM2チップと比較して約20%、M1 iMacと比較して約30%高いため、Appleの説明として正しい数値となる。
M3 Proチップとその性能
M3 Proチップによるシングルコアパフォーマンスは、M2 Proチップとほぼ同等であり、マルチコアパフォーマンスは多少向上しているというGeekbench 6の結果が出ている。
シングルコア | マルチコア | |
---|---|---|
M3 Max(16コア/12+4) | 3011 | 20805 |
M3 Max(14コア/10+4) | 3106 | 19259 |
M3 Pro(12コア/6+6) | 3035 | 15173 |
M3 Pro(11コア/5+6) | ー | ー |
M3(8コア/4+4) | 3016 | 11588 |
M2 Ultra(24コア/16+8) | 2768 | 21317 |
M2 Max(12コア/8+4) | 2736 | 14497 |
M2 Pro(12コア/8+4) | 2649 | 14254 |
M2 Pro(10コア/6+4) | 2640 | 12189 |
M2(8コア/4+4) | 2631 | 9744 |
M1 Ultra(20コア/16+4) | 2384 | 17823 |
M1 Max(10コア/8+2) | 2377 | 12433 |
M1 Pro(10コア/8+2) | 2375 | 12206 |
M1 Pro(8コア/8+2) | 2362 | 10308 |
M1(8コア/4+4) | 2350 | 8321 |
ただし、これは単一のベンチマーク結果であり、精度を確保するためにさらなる結果が必要となる。
シングルコアで見ると、M3ファミリーがすべてシングルコアで3,000スコアを出している。
しかし、実用使いの指標となるマルチコア性能ではファミリーごとに特徴が違う印象がある。
たとえば、M2 ProとM3 Proを比較するとマルチコア性能であまり差はない。
つまり、既存のM2 Proを持っているユーザーは乗り換えを検討しなくても良いと考えられる。
M3 ProとM3 Maxの違い
M3 ProとM3 Maxの両方は最大12コアのCPUを搭載しているが、M3 Proには高性能コア6個と効率コア6個が搭載されており、M2 Proに比べて性能向上が制限されている。
また、M3 ProはM2 Proに比べてメモリ帯域幅が25%少なく、GPUコアが1つ少ない。
この差がベンチマークのマルチコア性能に影響しているものと思われる。
ベンチマーク結果の重要性
ベンチマーク結果は、実際のパフォーマンスとは異なることがあるが、Appleの主張を評価するための良い方法といえるだろう。
M3 Proは、特にインテルベースのMacからアップグレードするユーザーにとって、大幅なアップグレードと評価できる。
また、M3 ProはM1 Proチップよりも最大20%高速であるとされているため、M1ファミリーを使用しているユーザーは、乗り換えの検討をしても良いと思われる。
新しいMacBook Proモデルの入手可能性
新しいMacBook Proモデルは現在注文可能であり、M3およびM3 Pro構成は2023年11月7日から顧客に届き、店頭で販売される。M3 Max構成は後日発売予定だ。
これらのベンチマーク結果は、新しいMacBook Proモデルの性能がAppleの主張どおりであることを示し、アップグレードを検討しているユーザーにとって朗報と言えるだろう。
ただし、実際の使用状況においてはベンチマーク結果とは異なる可能性があるため、購入前に検討が必要となる。
結局、どのユーザーがM3ファミリーへ移行する必要があるのか?
以下の記事でも述べたが、M3チップの魅力は3ナノプロセスで製造されている点につきる。
現在、M2ファミリーを使用しており、動作に満足しない場合はM3チップへ流れても良いが、M1チップが登場したときほどの衝撃は少ないだろう。
レビューを待ってからではあるが、GPUのメモリ効率化による影響が最も買い替えの参考になると思われるため、今は情報収集段階で良いと思われる。
M3チップとしては、Macbook Airが最も有力な選択肢だと思っているが、来年の夏頃まで待つ必要性がありそうだ。
M4の買い替え時期なども考慮すると、微妙なところもあり、M3 Macbook Airが登場するまで待ったほうが良いかもしれない。
2024年は大統領選挙が始まるから円高になるかも
2024年は、米国で大統領選挙が始まる。
選挙とガジェットがどのような関係にあるか?っと思われるかもしれないが、為替に影響してくる。
恐らく、2024年の大統領選挙に向けて現在行われている金融引き締めから金融緩和へ移行するものと思われ、ドルの価値が下がることが予想される。
これにより、来年のApple製品は時期次第で円高で現在よりも安くなる可能性がある。
これらを考慮して、M3へ乗り換えるのか?M4まで待ってみるのか?を検討しても良いと思っている。
UPDATE M3 Macbook Airが正式発表された
2024年3月4日にAppleからM3 Macbook Airが正式発表された。
本サイトではM2 Macbook Airとの比較やどのユーザーにオススメできるのかを明確にまとめたので見て欲しい。
[画像引用元:Apple]
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