はじめに|初めての双眼鏡選びで迷っていませんか?
野鳥観察や音楽ライブで、「もっと近くで見たい」と思ったことはありませんか?
そんな時に役立つのが双眼鏡。でも、初心者にとってはどのモデルを選べばいいのか迷ってしまいますよね。
今回は、Vixen(ビクセン)の人気モデル「アトレックII HR8x32WP」を、実際の使用感やスペックを交えながら徹底レビューします。
また、よく比較される「10×42モデル」との違いについても詳しく解説します。
Vixen アトレックII HR8x32WPの基本スペック
まず、今回購入したHR8x32WPについてのスペック表をご紹介。
項目 | 内容 |
---|---|
倍率 | 8倍 |
対物レンズ径 | 32mm |
実視界 | 7.0° |
明るさ | 16.0 |
最短合焦距離 | 約2.0m |
重量 | 約570g |
サイズ(幅×高×奥) | 約138×127×51mm |
防水性 | 完全防水(窒素ガス充填) |
HR8x32WPは、8倍ズームと32mmと必要最低限の構成となっている。
これにより約570gと丁度良い重さに落ち着いている。
10×42モデルとの違いを比較してみよう
購入する際に迷った10×42との比較をしてみる。
考え方としては「x」を境目として左辺が倍率で、右辺が対物レンズ径となっている。
レンズ径が大きければ、明るく見えるため、可能であれば倍率とレンズ径が大きい方が良い。
比較項目 | HR8x32WP | HR10x42WP |
---|---|---|
倍率 | 8倍 | 10倍 |
レンズ径 | 32mm | 42mm |
明るさ | 16.0 | 17.6 |
実視界 | 7.0° | 5.5° |
重量 | 約570g | 約705g |
最短合焦距離 | 2.0m | 3.0m |
視野の広さ | ◎ 広くて探しやすい | △ やや狭くてブレやすい |
携帯性 | ◎ 軽量コンパクト | △ やや重い |
初心者向け | ◎ 初心者に最適 | △ 慣れた人向け |
ポイント:
- 8倍(HR8x32WP)は「視野が広くてブレにくく初心者向け」
- 10倍(HR10x42WP)は「より遠くを細かく見たい方向け。ただし重くてブレやすい」
実際に実物を見ても10×42の方が一回り大きく、重量もずっしりと腕に負担がかかる。
もちろん、待機中や持ち運び中にも重量による体へのダメージが感じられる。
今回は、あくまでもサブアイテムとして購入したため、重量を中心に選んだ。
Vixen アトレックII HR8x32WPを開封

Vixen アトレックII HR8x32WPを開封してみる。
同梱物は、説明書とストラップと本体、ケースが付属されている。

本体は、ラバー素材でできており、防水であるため水が入らないアウトドア設計となっている。

接眼レンズは以下のようになっている。

接眼レンズは、回転させることで長さを調節することができる。

対物レンズは、32径であるため比較的に小さい。

42径だと1cm大きくなるが、32径は一般人がイメージする小型双眼鏡にピッタリ一致するだろう。
重量もペットボトル程度であるため、腰ベルトとして収納しておくと負担にならないだろう。
ストラップとキャップの取り付けはややクセがある
続いて、ストラップについて述べていきたい。

説明書のとおり、ストラップをレンズキャップに取り付けることで紛失防止が期待できそうだ。
対物レンズ側をストラップに通してみたんだが、レンズキャップ側の穴がガバガバでうまく固定できなかった。

接眼レンズ側のレンズキャップへストラップを通すと良い感じに収まった。

接眼レンズと対物レンズの両方に通すとストラップの長さが足りなくなる印象がある。
そのため、基本的には接眼レンズ側のレンズキャップへストラップを取り付けることになりそうだ。
実際に使って感じた3つのメリット
1. 見やすくてブレにくい8倍設計
動きのある野鳥観察やステージパフォーマンスでも、対象をしっかり追えるのが8倍モデルの強み。
視野が広いため、視線移動が楽で、初心者でも迷わない。
価格や重量もちょうどよい。
2. 軽くて持ち運びやすい570g
同じシリーズの10×42モデルと比べて約135g軽く、長時間の使用や持ち運びにも便利。
登山やライブの立ちっぱなしのシーンでも、腕や首の負担が少ないのは大きなポイント。
3. 雨や湿気に強い完全防水設計
野外使用に欠かせない防水性能(窒素ガス充填)を完備。
野鳥観察で朝露の残る森や、突然の雨でも安心して使えます。
使用シーン別おすすめポイント
野鳥観察に最適な理由
- 8倍倍率で小鳥の動きを追いやすい
- 視野が広いから見逃さない
- 明るく色再現性も高い
- 2.0mの近距離でもピントが合う
野鳥に関しては、人間の視野が50mmであるため、8倍だと400mmほどとなる。
野鳥撮影を例にすると、小鳥を見たい場合は600mmクラスが一般的であるため、野鳥観察でも小鳥を見たい場合は10倍や12倍がおすすめとなる。
明るさに付いて述べると、明るい室内や日中であれば問題ないが、薄暗い環境だと42径の方が良いかもしれない。
ライブ観戦にもおすすめ
- 広い視界でステージ全体を見渡せる
- 顔の表情や衣装の細部までしっかり確認
- 照明やスクリーンの色ブレも少ない
- 軽量なので腕が疲れにくい
ライブ観戦に関しては、あくまでも入門機となるだろう。
ライブ観戦では、「防振」機能があるレンズが望ましいが、かなり高額になりやすい。
10倍以上かつ42径以上の防振となると、10~20万くらいになるため、本気でライブ用に双眼鏡が欲しい場合は、予算から考え直したほうが良いだろう。
ひとまず、初めてライブで使用する双眼鏡としては、Vixen アトレックII HR8x32WPがおすすめだと感じられた。
倍率が高すぎるとピント合わせなどが難しくなってくるため、レンタルなどで体感してみるのもあり。
双眼鏡は防湿庫で保管!中古はあまりオススメできない

双眼鏡は、中古で1万円ほど安く購入できるが、正直オススメできない。
レンズ物は、レンズにカビが発生しやすいため防湿庫や湿度管理できるケースなどで保管することが推奨される。
カメラ用のレンズであれば多くの場合、防湿庫でレンズを保管することが一般的だが、参入障壁の浅い双眼鏡は湿度管理されていない空間で保管されていることが多い。
そのため、中古で安くてもカビでレンズが曇っている可能性も少なからずある。
さらに今回紹介したアトレックIIは、2014年に販売されており、新品でいつ購入されてどのように保管されていたかがわからない。
以上から、双眼鏡は可能な限り新品で購入した方が良いし、メーカー保証も5年と長いため中古はオススメできない。
むしろ、新品を購入した上で追加で防湿庫も購入することで、カビの発生を抑えて安全に保管することが望ましい。
デメリット(注意点)
- 倍率10倍以上を求める人には少し物足りないかも
- スマホ連携やカメラ機能は非搭載
- 三脚穴はないため、長時間固定観察には不向き
8×32は人によっては非常に中途半端と言えるスペックと言えるだろう。
あくまでも入門機であり、視力が1.5以上であれば8倍は不要にも感じられる。
購入前に実機で検証してみることを強くおすすめしたい。
まとめ|Vixen アトレックII HR8x32WPはこんな人におすすめ!
最後に総括としてVixen アトレックII HR8x32WPの特徴をまとめる。
- 初めての双眼鏡購入を考えている人
- 野鳥観察を気軽に始めたい人
- ライブ・スポーツ観戦で双眼鏡を使いたい人
- なるべく軽くて見やすいモデルを探している人
8×32は、双眼鏡を使用していないユーザーであれば、手ブレなども気にならないと感じた。
双眼鏡を最初から使いこなす前提であれば10×42からスタートしても良いが、ステップアップの最初としては8×32で十分だろう。
価格は2万円前半ではあるが、防湿庫を購入するとプラスで1〜2万円が追加費用となるだろう。
このように双眼鏡をちゃんと考えるだけでも参入障壁は少し高い気もしてくる。
可能であれば、10×42の双眼鏡と1万円ほどの防湿庫をセットで検討してみてはいかがだろうか。
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